「とりあえず10年間働いてみる。」
13年前、公立小学校で働き始める前、妻とこんな話をした。
将来の仕事として、中学生の自分が選んだ仕事が、小学校の先生だった。
誰かに憧れたわけでもなく、身内にも教師はいなかったが、
小中学校で過ごす時間の中で、自分に教師が向いていると思っていた。
大学4年の秋にBARを開業した。理由はやってみたかったから。
経営はうまく行っていたが、ある日の朝焼けを見て、
朝焼けを1日の終わりの時間に見るのは性に合わないと感じていた。
妻と一緒に暮らすために、BARを廃業して、試験勉強に取り組んだ。
奇跡的にも数ヶ月の勉強で、無事地元の教員採用試験にパスできた。
あれから13年。
自分のやりたいことはほとんどやれた。
旅行も仕事も、家族での時間も充実していた。
教員としての仕事のやりがいや給与。
中古の一軒家。
温かい地元の人々。
本当に全てに満足している幸せな日々。
そんな中、コロナが流行する。
突然の全国小中学校一斉休校。
当たり前だった日々が終わりを告げ、全員マスク、stay home。
その頃始まった、夫婦での早朝散歩の習慣。
適度な運動、stay homeからの解放、お互いの価値観を何気ない会話で繋いだ。
これまでも、会話が多い夫婦ではあったが、
これまで以上に、家族のこれからについて話すことが増えた。
あれから2年後の今、私たち家族はオランダで生活している。
オランダへの教育移住を決めてから、何回も聞かれたことは、
- 何でオランダ?
- オランダで何するの?
- お金は?
その答えは結構シンプルで、ビザが取りやすくて(まだ取れていないけど)、治安が良さそうで、ヨーロッパに住んでみたかったから。
(海外旅行は夫婦共にそれなりにしてきたが、ヨーロッパには行ったことがない)
仕事は未定で、当てもない。お金がなくなったら帰国する。
もしも、仕事を一切しなかったら、2年持たない我が家の挑戦は、果たしてどうなるのか?
そんなことは、誰にも分からない。
それでも行きたかった、だから今ここにいる。
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