中古一軒家で得られる価値

家族

「いつかは夢のマイホーム。」

 どこかで聞いた魔法の言葉。その言葉は、「マイホーム≒新築一軒家を持つこと」が、成功者の証だと多くの人々を錯覚へと誘う。「いつかはクラウン」と同じ広告戦略。

 正確な知識と自分の頭で考える少しの時間さえあれば解決する問題だが、2021年にもなってまだ、日本中に残る魔法の言葉。

 多くの人にとって一生に一度しか買わない家(自分で建てる人もいるし建て替える人もいるが)なのに、家族で十分な話し合い(どんな人生にするのか。お金の価値観共有)なしに、身の丈に合わない新築を、驚異の○○年ローンで購入してしまう人が、私の周りでも後を絶たない。新築一軒家購入後、先の見えない将来と、ローンが続く現実に恐怖さえ覚える。

 我が家は、中古の一軒家をアパート暮らしの11か月後に購入した。条件は決まっていた。①実家の徒歩圏内。②大手のメーカー建築。③中古。④購入後は、水回り&シロアリ駆除のリフォーム。

 お金の価値観とその後のライフスタイルさえしっかりと話し合えていれば、中古一軒家の購入であっても時間はかからない。現に物件のことを知ってから3日後に購入を決定した。

 確かに中古物件には、新築物件にはない不安材料もある。しかし、価格はリフォーム込みで半額程度まで節約できる。(日本の不動産は、年々建物自体の価値が暴落する)頭金が100万程度しかなかった我が家も、15年程度のローン返済を計画し、結果的には繰り上げ返済で10年以内にローンを返済できた。

 では、なぜ身の丈(身の丈は自分で判断するものだと思うが)に合わない新築購入が後を絶たないのか。その原因を私なりに考えてみた。まず、親世代の常識が、その子どもに刷り込まれる。自分の親の生き方を否定することへの罪悪感は、簡単に超えることができない壁である。親が新築のマイホームを購入して幸せそうなら確信を持つのも無理はない。(子どもがマイホームを購入する頃、ちょうど長い長いローン地獄から解放された親から、苦労話を聞くことは難しい)

 時代は日々変化している。常識も変わっていいはずだ。

 自分の頭で考える習慣、世界を広い視野で見る力が必要さを増すスーパー情報社会。これまでの常識を捨て、ライフスタイルを変える勇気があるか。すでに家や仕事、家族がいるなら、ライフスタイルを変えるためのエネルギーは何倍にも膨れ上がる。

 追い打ちをかけるのは、驚くほど変化しない日本の学校教育。学校教育が間違っていたとしたら…その国の未来は末恐ろしい。日本の学校教育が間違っていると言いたいわけではない。大切なことは、自分の頭で考えることをやめないこと。特に大人がやめてしまうことは子どもの教育上よくない。自分の感覚を信じて、勇気をもってライフスタイルを見直そう。

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