母の日、30分間のテニス

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 先日の母の日。アラ70となっても元気な母とテニスをした。時間にして30分。母の大好きな2歳年上の父は、仕事。一人ぼっちの母と我が家の5人で楽しい時間を過ごした。

 そんな楽しいテニスの時間が、なぜ30分だけだったのか。そこには小さな物語があった。

 母の日前の恒例は、母にどうやって感謝を伝えるのか考えること。子どもたちにとって母は妻であり、2人への感謝は、日々募るばかりで余計に悩ましい。

 とうとう迎えた当日。徒歩1分の距離にある実家。末っ子にお願いして、母に、やりたいことの聞き取りをお願いした。(自分でやるべきだが、どうも恥ずかしい)末っ子の大活躍もあって、①テニスか卓球 ②温泉 ③ディナーのリクエストをもらえた。普段は「何でもいい。」と言う母。気をつかって絞り出してくれた3つを叶えたい。

 卓球場は今日はやってないことが分かり、まずはテニスに決定。すぐに電話でコートの予約を試みるが、晴天の母の日とスクールが重なり、午前中の予約がいっぱいで、唯一空いている1コートは9時から10時までの1時間。今9時10分。

 「よし!行こう!」コートまで車で5分。準備に最低10分。それでも私に迷いはなかった。

 ドタバタの準備を完了させて車に飛び乗り、コートへ到着。受付をしようとすると、受付は大きな県立公園入口の窓口でするとのこと。(電話で言ってよ)「もう時間ないしやめておこうか」と母。(だめだめ、今日は特別。)コート係りのおじいさんに公園内も走れる自転車をお借りして爆走。5分で受付を済ませた。

 息を切らす私。「もう時間がありませんが…」と繰り返す受付のおば様。(だから…笑顔で「お願いします」が言えるように、少しは成長した自分)受付を済まし、コートに向かう。残り30分。私にとっては十分な時間。大切なことは、母の願いをかなえること。その一点。

 元軟式テニス部の妻と硬式テニス教室へ通っていた母は楽しそうに、テニスを楽しんでいる。硬式テニス初心者の長男長女も何とかやっている。末っ子は、審判台を気に入ったようで、審判ごっこが楽しそう。素晴らしい。よかった。

 汗だくでボール拾いに徹したテニス時間の30分。予約の段階でも、コートのおじさんにも、料金を支払う時にも、みんなが良かれと思って(30分に1時間分の料金が発生すること)「いいんですか?」と繰り返す。気持ちはよくわかる。平常の自分もそうかもしれない。それでも、今日は特別。いちいち説明できない分、笑顔で「お願いします。」少しの想像力を働かしてみよう。そう、いつも相手の心は見えない。だからこそ、状況より、相手の目を見れば分かる。

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