生命の誕生を体感する瞬間

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 幸せなことに、3人の子ども全員の出産に立ち会うことができた。出産に立ち会うことができたことで、一番強烈に感じたことは、やはり母(妻)の偉大さだ。いくつになっても、母が子を思う気持ちが変わらないことにも十分納得できる。そんな壮絶な瞬間だ。

 誕生の瞬間もさることながら、約10か月10日間の共生の時間も特別な時間。夫に出来ることは限定され、無力感さえ感じる日々。しかし、その時間は、健康を願ったり名前を考えたり、誕生前から子どもを思う気持ちで溢れている。

 小学校では、3年生の理科では、モンシロチョウの誕生を学習する。さらに、教科書は本当によく考えられていて、5年生の理科の学習で、メダカの誕生や人間の誕生についても学ぶ。

 3年生で、モンシロチョウの誕生の学習をするために、モンシロチョウが好んで卵を産む作物の仕込みは、数カ月前からのキャベツ作りから始まります。学校に大きな畑があれば問題なのですが、ない場合プランターを使って数株のキャベツを育てることになります。もちろん、都会の学校でなければ、地域の方から譲ってもらうこともできます。

 無事キャベツが育つと、5月頃からモンシロチョウがキャベツの葉に卵を産み始めます。子どもたちはは、初めてモンシロチョウの卵を見て、その小ささに、まず驚きます。十分に目を凝らさないと見えません。(約1~2mm)上手くいけば、一株のキャベツに無数の卵が産まれることもあります。卵を確認出来てから、毎日観察していると、卵から幼虫が出てきます。幼虫は、自分の卵の殻やキャベツの葉を食べ始め、キャベツに無数の穴(幼虫が食べた跡)が出来てきます。

 次に面白いのが、幼虫の糞です。幼虫になってからの餌がキャベツなので、フンは小さな丸い緑の塊。無数に転がる糞を見て、容易に何を食べているのかが分かります。数回の脱皮を繰り返して大きくなり、最後にさなぎになります。

 さなぎになってからの時間も不思議な時間で、あれだけ毎日たくさんのキャベツを食べ、フンをしていた幼虫が、さなぎになってからは、一切動きません。(もちろん生きているので、中では動いているでしょうが)さなぎの色が緑から茶色に変わった頃、いよいよ羽化(成虫になる)する瞬間が近いことを意味します。

 子どもたちにとっては、卵から幼虫、成虫になる瞬間を見れる体験。その大きさや特徴を知って、一気にモンシロチョウが身近な生物となります。誕生までの軌跡を観察することで、生命の重みを感じ命を感じる時間。関わる大人も、同じように何度も学びなおすことができます。

 改めて感謝したい、子どもたちの成長。妻への感謝。母への感謝。

 

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