100万円を一億円に変える価値

Uncategorized

 コロナウィルスが猛威を振るい始めた去年の今頃。当時の政府は、国民一人当たり10万円の給付金を配布することを決定した。国民一人10万円。5人家族の我が家は50万。報道がされてから、実際の給付まで、何日ぐらいだったのか。そのお金をどう使ったのか。実はどちらも覚えていない。

 全国の学校で一斉休校がいきなり決定された1週間後、父親から連絡をもらった。「今夜実家に来るように」と。いつもと少し違った空気に、様々なことを想像しながら、実家に向かった。ついてみると、同じく嫁いだ姉も呼ばれていて、台所のテーブルには、分厚い茶封筒が2つ。父親からの給付金が100万円ずつ配られた。断っておくが、我が家の家庭は、裕福な家庭ではない。高卒で団体職員となった父は、定年を迎えて数年たった今でもコツコツ働いている。ギャンブルもやらないしたばこも吸わない人だ。

 父親からもらった100万円。使い方ははっきり伝えられた。この期間を家で過ごすことになる子どもたちのために。(孫たちのために)今後の学習やステイホームを見据えて、まずは子どもたちの(孫たちの)インターネット教育環境を整えるに決定。父親の思いが詰まった100万円。私はその場で、3人分のオンライン学習に必要な環境を整える契約をした。

 例えば、コロナによって収入の増減がなかった我が家にとって、自分たちのお金でインターネット教育環境を整えることもできた。ただ、これは何事にも言えることだが、「できる」と「する」には決定的な違いある。親になってから特に実感することが多いが、判断の正確さも大切だが、それ以上に判断の速さは大切だ。「○○をやるといいだろうな。」と思うことは無限にあっても、「本当に○○をやってよかったな。」ということは意外に少ない。

 今後の子育てや家族経営における大切なポイントを身をもって学んだ。父は偉大なり。背中で伝えられたこの経験は、一生忘れられない。自分の感覚をしっかりと磨き、大切な判断をタイミングを逃すことなくできる父親になりたい。ならなきゃな。100万円から1億円の価値をもらった話。30年後子どもに語ってもらいたい。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました